文献詳細
文献概要
特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 蛋白
血清総蛋白と蛋白分画
著者: 山口晃1 木村聡1
所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院臨床検査科
ページ範囲:P.114 - P.118
文献購入ページに移動血清中にはおびただしい種類の蛋白が存在する.この総量が総蛋白(total protein:TP)である.今日,何百種という蛋白質の発現を一気に解析する技術は存在するが,迅速さや費用対効果の面で,TPの意義は失われていない.
血清蛋白の最大の供給源は肝臓である.量的に血清蛋白の約6割を占めるアルブミンはじめ,さまざまな蛋白が肝臓で合成される.このため蛋白合成能が低下する肝硬変や,栄養失調でTPは低下する.血清蛋白が尿中に失われるネフローゼ症候群や,消化管から失われる蛋白漏出性胃腸症では,TPは低下する.
参考文献
掲載誌情報