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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 蛋白

血清総蛋白と蛋白分画

著者: 山口晃1 木村聡1

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院臨床検査科

ページ範囲:P.114 - P.118

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 血清中にはおびただしい種類の蛋白が存在する.この総量が総蛋白(total protein:TP)である.今日,何百種という蛋白質の発現を一気に解析する技術は存在するが,迅速さや費用対効果の面で,TPの意義は失われていない.

 血清蛋白の最大の供給源は肝臓である.量的に血清蛋白の約6割を占めるアルブミンはじめ,さまざまな蛋白が肝臓で合成される.このため蛋白合成能が低下する肝硬変や,栄養失調でTPは低下する.血清蛋白が尿中に失われるネフローゼ症候群や,消化管から失われる蛋白漏出性胃腸症では,TPは低下する.

参考文献

1)三宅紀子,山田俊幸:血清蛋白分画のパターン分析による病態解析.医学検査49:975-980, 2005
2)松田重三:症例から学ぶ血漿蛋白の見方・考え方―蛋白分画と免疫電気泳動像,医歯薬出版,1991
3)井上隆智:血清蛋白分画をどう読むか―新しい把握の仕方,金芳堂,1988
4)米川 修,谷脇寛子:血漿蛋白,蛋白分画データのパターン解析の重要性.検と技31:818-820, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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