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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 蛋白

IgE,アレルギー特異的IgE抗体,アレルギー特異的IgG抗体

著者: 圖子瞳1 東田有智1

所属機関: 1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科

ページ範囲:P.142 - P.143

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義1)

 IgEは,B細胞から産生され,肥満細胞・好塩基球と結合してアレルギー反応(GellとCoombsの分類によるⅠ型アレルギー)に携わる抗体である.IgEはかつて寄生虫に関与する免疫反応にかかわっていたが,寄生虫が稀になった先進国では,気管支喘息,アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患に関与する.IgEは肥満細胞や好塩基球上の高親和性IgE受容体(FcεRI)に結合し,抗原(アレルゲン)が侵入するとFcεRIと抗原が結合後,架橋し,活性化される.その後,数分~数十分でヒスタミンなどのメディエータを放出する.IgEの血中半減期は短く(約1~5日),持続的に血清総IgE値が高い理由には諸説はあるものの,一定の見解は見いだされていない.

 IgGはGellとCoombsの分類によるⅡ型,Ⅲ型アレルギーに関与する.Ⅲ型アレルギーでは,特定の抗原を認識するアレルギー特異的IgGと免疫複合体を形成し,補体を活性化し,オプソニン化することにより貪食作用能を強める.

参考文献

1)秋山一男:アレルギーとは.宮本昭正(監修):臨床アレルギー学,改訂第3版,pp 90-95,南江堂,2007
2)Marsh DG, et al:Genetic control of basal serum immunoglobulin E level and its effect on specific reaginic sensitivity. Proc Natl Acad Sci USA 71:3588-3592, 1974
3)Nepper-Christensen S, et al:In vitro diagnostic evaluation of patients with inhalant allergies;Summary of probability outcomes comparing results of CLA-and CAP-specific immunoglobulin E test systems. Allergy Asthma Proc 24:253-258, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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