文献詳細
文献概要
特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 蛋白
IgE,アレルギー特異的IgE抗体,アレルギー特異的IgG抗体
著者: 圖子瞳1 東田有智1
所属機関: 1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科
ページ範囲:P.142 - P.143
文献購入ページに移動IgEは,B細胞から産生され,肥満細胞・好塩基球と結合してアレルギー反応(GellとCoombsの分類によるⅠ型アレルギー)に携わる抗体である.IgEはかつて寄生虫に関与する免疫反応にかかわっていたが,寄生虫が稀になった先進国では,気管支喘息,アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患に関与する.IgEは肥満細胞や好塩基球上の高親和性IgE受容体(FcεRI)に結合し,抗原(アレルゲン)が侵入するとFcεRIと抗原が結合後,架橋し,活性化される.その後,数分~数十分でヒスタミンなどのメディエータを放出する.IgEの血中半減期は短く(約1~5日),持続的に血清総IgE値が高い理由には諸説はあるものの,一定の見解は見いだされていない.
IgGはGellとCoombsの分類によるⅡ型,Ⅲ型アレルギーに関与する.Ⅲ型アレルギーでは,特定の抗原を認識するアレルギー特異的IgGと免疫複合体を形成し,補体を活性化し,オプソニン化することにより貪食作用能を強める.
参考文献
掲載誌情報