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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 蛋白

栄養評価蛋白

著者: 高木康1

所属機関: 1昭和大学医学部医学教育推進室

ページ範囲:P.144 - P.146

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 栄養管理はすべての治療法の基盤であり,栄養状態が不良であればいかなる治療も無効である.そして,適切な代謝・栄養管理により予後を改善でき,不適切な栄養管理は予後を増悪させる.このように,栄養管理,栄養療法は疾患を有するすべての患者において基本的な根幹となる医療行為であり,患者の栄養状態を的確に評価する栄養アセスメントが必要となる.

 この栄養状態の評価のための血液・生化学的指標としては,アルブミンやヘモグロビンが測定されていたが,半減期が長いことや造血状態による変動が大きいなどのためにおおまかな指標でしかなかった.このため,近年,血中の半減期の短いRTP(rapid turnover protein)が栄養状態評価の動的指標として利用されるようになった.その代表がトランスサイレチン(transthyretin:TTR,従来はプレアルブミンと呼称),レチノール結合蛋白(retinol-binding protein:RBP)とトランスフェリン(transferrin:Tf)であり,特に前2者は半減期が特に短いため栄養評価蛋白として評価されている.

参考文献

1)平林庸司,他:血漿タンパクによる栄養アセスメントのための評価方法について―日本成人とアメリカ成人との基準値の比較.医と薬学45:1031-1039, 2001
2)亀子光明,青木正義:Rapid turnover proteinの生理学的変動.日臨検自動化会誌28:647-651, 2003
3)高木 康:栄養アセスメント蛋白.臨病理52:301-306, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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