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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 炎症マーカー
CRP(C反応性蛋白)
著者: 髙橋伯夫1
所属機関: 1関西医科大学臨床検査医学講座
ページ範囲:P.147 - P.149
文献購入ページに移動異常値が出るメカニズムと臨床的意義
C反応性蛋白(C-reactive protein:CRP)の産生は,分子レベルでは,炎症性サイトカインと称されるインターロイキン(IL)-1,IL-6,IL-14,TNFαなどが肝臓に作用して促進される.これらのサイトカインの産生は,ステロイドホルモン,トロンビン,補体のC5a,ブラジキニン,紫外線,細菌の構成成分であるリポポリサッカライド(LPS)などにより促される.特に,LPSなどによる刺激は強烈なもので,それにより大量のサイトカインとCRPが産生され,これが細菌感染症の際にみられる炎症反応で,CRPが急性反応性蛋白と称せられるゆえんである.同様のことは,体内での組織破壊が起きた際に生じる不要物を除去する反応としても起きるもので,組織の梗塞や火傷などでみられる現象である.
他方,近年,注目を集めている低濃度域でのCRPの増加は,疫学的な研究から年齢,性,出生体重,民族性,社会経済学的状態,肥満指数(BMI),食物繊維・アルコールや脂肪酸の摂取量などと関係することが明らかになってきた.また,CRPが心血管系合併症と密接な関連があることが大規模臨床研究の解析から明らかになった.つまり,動脈硬化は炎症であり,その炎症に反応してCRPが全身の血管でも産生され,そのCRPが動脈硬化の進展に関与するとされている.つまり,CRPの変動のかなりの部分が生活習慣の違いで説明でき,動脈硬化の指標となるわけである.このような事実を受けて,米国心臓協会(AHA)と疾病予防センター(CDC)は,低濃度域でのCRP増加要因として,①高血圧,②肥満,③喫煙,④糖尿病,⑤メタボリックシンドローム,⑥女性ホルモン補充療法が,減少要因として,①適度の飲酒,②定期的な運動,③減量,④HMG還元酵素阻害薬(スタチン)などの薬剤,などが示されている1).
C反応性蛋白(C-reactive protein:CRP)の産生は,分子レベルでは,炎症性サイトカインと称されるインターロイキン(IL)-1,IL-6,IL-14,TNFαなどが肝臓に作用して促進される.これらのサイトカインの産生は,ステロイドホルモン,トロンビン,補体のC5a,ブラジキニン,紫外線,細菌の構成成分であるリポポリサッカライド(LPS)などにより促される.特に,LPSなどによる刺激は強烈なもので,それにより大量のサイトカインとCRPが産生され,これが細菌感染症の際にみられる炎症反応で,CRPが急性反応性蛋白と称せられるゆえんである.同様のことは,体内での組織破壊が起きた際に生じる不要物を除去する反応としても起きるもので,組織の梗塞や火傷などでみられる現象である.
他方,近年,注目を集めている低濃度域でのCRPの増加は,疫学的な研究から年齢,性,出生体重,民族性,社会経済学的状態,肥満指数(BMI),食物繊維・アルコールや脂肪酸の摂取量などと関係することが明らかになってきた.また,CRPが心血管系合併症と密接な関連があることが大規模臨床研究の解析から明らかになった.つまり,動脈硬化は炎症であり,その炎症に反応してCRPが全身の血管でも産生され,そのCRPが動脈硬化の進展に関与するとされている.つまり,CRPの変動のかなりの部分が生活習慣の違いで説明でき,動脈硬化の指標となるわけである.このような事実を受けて,米国心臓協会(AHA)と疾病予防センター(CDC)は,低濃度域でのCRP増加要因として,①高血圧,②肥満,③喫煙,④糖尿病,⑤メタボリックシンドローム,⑥女性ホルモン補充療法が,減少要因として,①適度の飲酒,②定期的な運動,③減量,④HMG還元酵素阻害薬(スタチン)などの薬剤,などが示されている1).
参考文献
1)Pearson TA, et al:Markers of inflammation and cardiovascular disease;Application to clinical and public health practice:A statement for healthcare professionals from the Centers for Disease Control and Prevention and the American Heart Association. Circulation 107:499-511, 2003
2)Claessens YE, et al:Accuracy of C-reactive protein, procalcitonin, and mid-regional pro-atrial natriuretic peptide to guide site of care of community-acquired pneumonia. Intensive Care Med 36:799-809, 2010
3)Sanders S, et al:Systematic review of the diagnostic accuracy of C-reactive protein to detect bacterial infection in nonhospitalized infants and children with fever. J Pediatr 153:570-574, 2008
4)Devaraj S, et al:CRP and adiponectin and its oligomers in the metabolic syndrome;Evaluation of new laboratory-based biomarkers. Am J Clin Pathol 129:815-822, 2008
5)Pu LJ, et al:Value of serum glycated albumin and high-sensitivity C-reactive protein levels in the prediction of presence of coronary artery disease in patients with type 2 diabetes. Cardiovasc Diabetol 20:27-34, 2006
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