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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 窒素化合物

UN(尿素窒素)

著者: 田中裕一1 富野康日己1

所属機関: 1順天堂大学医学部腎臓内科

ページ範囲:P.155 - P.156

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異常値の出るメカニズム

 尿素は,いわゆる「尿素サイクル」における蛋白の終末産物で,主として尿中に排泄される.食事などで摂取した蛋白や体蛋白は体内で分解されアミノ酸となるが,腸管内などで代謝(脱アミノ反応)されてアンモニアとなり,肝細胞内での「尿素サイクル」において毒性の少ない尿素となる.こうして生じた尿素は,一部腸肝循環するが,再びアンモニアとなり,再吸収されるため,健常人において糞便中に排泄されることは少なく,主に腎臓(糸球体)で濾過されて尿中に排泄されるため,血清尿素窒素(serum urea nitrogen:S-UN)は腎機能を評価するうえで重要な指標となりうる.

 一方で,脱水,消化管出血や組織崩壊,異化亢進,蛋白摂取量の評価などにも有用である.また,透析患者における蛋白摂取量や透析効率を評価するにも有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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