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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 窒素化合物

アンモニア

著者: 井上和明1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院消化器内科

ページ範囲:P.160 - P.162

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 アンモニアは,①腸管内での食物由来の蛋白などの窒素化合物の腸内細菌による分解,②腸内細菌のウレアーゼの作用による尿素の分解,③腸管,肝臓,腎臓でのグルタミナーゼによるグルタミンの脱アミノ反応,により生成される.一方,アンモニアの代謝は,①肝臓でのウレアサイクルによる尿素への変換,②筋肉,脳組織,肝臓でのα-ケトグルタール酸,グルタミン酸それぞれへのアンモニアの取り込み(グルタミンの産生),③腎臓での水素イオンとの結合によるアンモニア塩としての尿中への排泄,④クエン酸→アラニンの変換により解毒される.このなかでも最も強大な代謝機能をもつ肝臓に存在するウレアサイクルが代謝の要である.グルタミンやアラニンの生成系はアンモニアの代謝の容量が小さく,かつ反応が可逆的で再びアンモニアを放出するので,一時的なリザーバーの役目を果たしているだけで最終的には肝臓のウレアサイクルが解毒反応の最終ステップである.

 血中アンモニア上昇は,ウレアサイクル機能が強大であるために,アンモニアの産生亢進のみでは起こりえず,ウレアサイクルの代謝が阻害される以下の病態で上昇する.

参考文献

1)Butterworth RF, et al:Hepatic encephalopathy. Arias I(ed):The Liver;Biology and pathobiology, 5th ed, pp 599-613, John Wiley & Sons, West Sussex, UK, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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