icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 窒素化合物

クレアチン,クレアチニン

著者: 保坂望1 秋澤忠男1

所属機関: 1昭和大学医学部腎臓内科

ページ範囲:P.163 - P.165

文献購入ページに移動
異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 クレアチンは健常成人の体内に100~120g存在し,その95%は骨格筋に分布し,1日に2~3gが代謝されている.1日の代謝量の約半分が体内で合成され,残り半分は食事から摂取される.クレアチンはアデノシン三リン酸とクレアチニンキナーゼ(creatine kinase:CK)により,可逆的にクレアチンリン酸となり,必要に応じて筋肉におけるエネルギー源となる.

 クレアチニン(Cr)は分子量が113.12の小分子量物質である.クレアチンの最終代謝産物で,筋において産生される.糸球体で濾過され,その後,尿細管ではほとんど再吸収されずに尿中に排泄される.クレアチニン値は糸球体濾過値(glomerular filtration rate:GFR)と筋肉量の影響を受け,GFRの低下や筋肉量の増加が起こると血清クレアチニン濃度は上昇する.また,尿中クレアチニン排泄量は体重,運動量,腎機能に著変がない限り,1日生産量とほぼ同等で一定と考えられており,尿中クレアチニン値は蓄尿検査の正確さの指標となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?