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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 窒素化合物

Ccr(クレアチニンクリアランス)

著者: 平井優紀1 秋澤忠男1

所属機関: 1昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門

ページ範囲:P.166 - P.168

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 健常成人では,糸球体濾過で1分間あたり100mlの原尿が生成され,尿細管での再吸収・分泌を経て最終尿が作られる.体内の細胞外液総量は10~30lであり,細胞外液は1日5~15回程度糸球体で濾過されることで老廃物の排泄や水電解質代謝が調節されている.

 糸球体で濾過された原尿には,大部分がそのまま尿中に排泄されるクレアチニン(creatinine:Cr)のような物質から,ほぼ100%尿細管で再吸収され,尿中に排泄されないグルコースなど,さまざまな物質が含まれる.このため,ある物質が単位時間内に体外に排泄された量と同じ量を含有する血漿量をその物質のクリアランスと定め,腎臓の物質排泄効率の尺度として用いられている.1回糸球体を通過すると全量濾過され,尿細管の再吸収や分泌を受けない物質(イヌリン)のクリアランスは,単位時間あたりに糸球体で濾過される血漿量を意味し,これは糸球体濾過値(glomerular filtration rate:GFR)として腎機能の代表的指標となり,表1に準じ次式で算出される.

参考文献

1)日本腎臓学会(編):CKDの診断.エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2009,pp 3-4, 東京医学社,2009
2)Matsuo S, et al:Revised equations for estimated GFR from serum creatinine in Japan. Am J Kidney Dis 53:982-992, 2009
3)堀尾 勝:クリアランス検査.腎と透析 67:154-157, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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