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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 酵素および関連物質

AST(GOT),ALT(GPT)

著者: 白羽英則1 小出典男2

所属機関: 1岡山大学病院消化器内科 2岡山大学病院総合診療内科

ページ範囲:P.180 - P.181

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 AST(aspartate aminotransferase),ALT(alanine transaminase)の血清値は,いずれも本来は細胞内に分布し機能している酵素が,組織障害による細胞破壊,もしくは細胞膜透過性亢進で血中に流出した逸脱酵素である.逸脱酵素を測定することで,臓器の障害を推測することが可能となる.

●ASTはGOT(glutamic oxaloacetic trans-aminase)とも呼ばれる.グルタミン酸とアスパラギン酸をオキサロ酢酸とα-ケトグルタル酸に変換する酵素である.ASTは肝細胞に多いが,心筋,骨格筋,腎臓,赤血球にも含有され,肝臓以外の組織障害でも上昇する.ASTには細胞質に存在する細胞質AST(C-AST)とミトコンドリアに存在するミトコンドリアAST(m-AST)のアイソザイムがある.m-ASTはミトコンドリア膜で保護されているため,肝細胞が壊死に至るような強い障害の際に血中に出現するため,肝細胞障害の重症度の指標となりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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