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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 酵素および関連物質

ChE(コリンエステラーゼ)

著者: 前川真人1

所属機関: 1浜松医科大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.190 - P.191

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 コリンエステラーゼ(ChE)は,その基質特異性がブロードなため,神経伝達物質であるアセチルコリンだけでなく,その類似物質の代謝にもかかわっている.ChEの遺伝性変異は,筋弛緩薬投薬時の遷延性の無呼吸が問題となり,薬理遺伝病と位置づけられている.したがって,欧米ではChE活性測定は術前検査として位置づけられており,活性の低下だけでなく阻害薬であるフッ化ナトリウム(NaF)あるいはディブカイン耐性の酵素が問題とされてきた.また,活性がほとんど認められない変異はサイレント型変異といわれている.

 一方,日本では,ChEが肝臓で作られ,その血中半減期がアルブミンなどより短く(約10日),また活性で測定できるため,鋭敏な蛋白合成能の指標として肝機能検査に応用されている.ほかに有機リン中毒やスクリーニング検査として,全般的な栄養状態の指標としても使用される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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