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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 酵素および関連物質

アミラーゼとそのアイソザイム

著者: 田中滋城1 北村勝哉2

所属機関: 1東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科 2昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門

ページ範囲:P.197 - P.198

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 アミラーゼを産生する臓器は主に唾液腺,膵臓であるが,アミラーゼは膵臓,唾液腺以外にも,肺・肝・腎・小腸・卵管・筋肉などに存在する.

 異常値の出るメカニズムとしては,①唾液腺や膵組織の障害および膵液のうっ滞(膵管狭窄あるいは閉塞)による血中への逸脱,②腎からのアミラーゼ排泄低下,③アミラーゼ産生腫瘍からの異所性産生などによる血中アミラーゼの上昇が挙げられる.なお,膵疾患で,進行した(非代償期)場合には,アミラーゼが異常低値をとることを念頭におく必要がある.

参考文献

1)田中滋城,他:膵酵素.井廻道夫,原田容治(編):初期研修医の経験すべき消化器診療,pp 46-47,メジカルビュー社,2004
2)田中滋城:膵酵素.井廻道夫,日比紀文(編):図解消化器内科学テキスト,pp 93-95,中外医学社,2006
3)急性膵炎診療ガイドライン2010改訂出版委員会(編):急性膵炎診療ガイドライン2010,金原出版,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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