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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 酵素および関連物質
ADH(アルコール脱水素酵素)
著者: 山内眞義1
所属機関: 1やまうち内科クリニック
ページ範囲:P.205 - P.206
文献購入ページに移動異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ADH(alcohol dehydrogenase;アルコール脱水素酵素)は20種類以上のアイソザイムがあり,α,β,γサブユニット蛋白の任意の組み合わせによる二量体,およびπ,χ,μ,δサブユニット蛋白それぞれの二量体の形で構成されている.エタノールを基質としてその活性を測定した場合,本酵素の生体内分布は95%が肝で,他臓器では胃粘膜,腎,睾丸,脳,網膜などでわずかに活性を認めるのみであり,肝細胞内では細胞質に局在する.したがって,ALTやLDHなどと同様に肝の逸脱酵素としての性格を有することから,本酵素の血清中の活性を測定することは,肝細胞障害の程度を把握するのに有用な検査である.組織所見のなかで,肝細胞壊死の程度と血清ADH活性とが相関することが明らかにされている.ADH活性は4℃保存で24時間後には20%失活するため,採血後は速やかに測定するか,-80℃で保存し,2カ月以内に測定することが望ましい.
ADH(alcohol dehydrogenase;アルコール脱水素酵素)は20種類以上のアイソザイムがあり,α,β,γサブユニット蛋白の任意の組み合わせによる二量体,およびπ,χ,μ,δサブユニット蛋白それぞれの二量体の形で構成されている.エタノールを基質としてその活性を測定した場合,本酵素の生体内分布は95%が肝で,他臓器では胃粘膜,腎,睾丸,脳,網膜などでわずかに活性を認めるのみであり,肝細胞内では細胞質に局在する.したがって,ALTやLDHなどと同様に肝の逸脱酵素としての性格を有することから,本酵素の血清中の活性を測定することは,肝細胞障害の程度を把握するのに有用な検査である.組織所見のなかで,肝細胞壊死の程度と血清ADH活性とが相関することが明らかにされている.ADH活性は4℃保存で24時間後には20%失活するため,採血後は速やかに測定するか,-80℃で保存し,2カ月以内に測定することが望ましい.
参考文献
1)Yamauchi M, et al:Lobular distribution of alcohol dehydrogenase in the rat liver. Hepatology 8:243-247, 1988
2)Mezey E, et al:Serum alcohol dehydrogenase;An indicator of intrahepatic cholestasis. N Engl J Med 279:241-246, 1968
3)Kato S, et al:Improved assay for alcohol dehydrogenase activity in serum by centrifugal analysis. Clin Chem 30:1817-1820, 1984
4)Fujisawa K, et al:Application of nicotinamide adenine dinucleotide analogs for clinical enzymology;Alcohol dehydrogenase activity in liver injury. Clin Chim Acta 69:251-257, 1976
5)Yamauchi M, et al:Polymorphisms in alcohol metabolizing enzyme genes and alcoholic cirrhosis in Japanese patients;A multivariate analysis. Hepatology 22:1136-1142, 1995
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