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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 糖質および関連物質

尿中微量アルブミン

著者: 古家大祐1

所属機関: 1金沢医科大学糖尿病・内分泌内科

ページ範囲:P.218 - P.220

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

■尿中微量アルブミン尿の出るメカニズム

 腎糸球体毛細血管壁は,内皮細胞,糸球体基底膜,そして,上皮細胞の3層構造である.特に内皮細胞は約200~400nmのプロテオグリカンなど細胞表面を覆う糖と結合した化合物〔グリコカリックス(glycocalyx)〕に覆われている.したがって,水は自由に濾過されるが,分子量の大きいアルブミン(約67,000)などは濾過されない,つまり,尿中に漏れない仕組みとなっている.

 実際に,マウスにプロテオグリカン分解酵素を投与するとチャージバリアが障害され,アルブミンが尿中に漏れ出てくることが示されている1).糖尿病状態でみられる腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)-αや酸化ストレスの亢進によってグリコカリックスが障害され,さらに血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)がアルブミン透過性を亢進させる.

参考文献

1)Jeansson M, Haraldsson B:Morphological and functional evidence for an important role of the endothelial cell glycocalyx in the glomerular barrier. Am J Physiol Renal Physiol 290:F111-116, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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