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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 糖質および関連物質

1,5-AG(1,5-anhydroglucitol)

著者: 山内俊一12

所属機関: 1帝京大学医学部内科学講座 2北東京寿学園

ページ範囲:P.221 - P.223

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 1,5-AG(1,5-anhydroglucitol)は生体内に豊富に含まれるポリオールであるが,ほとんど代謝を受けず,正常人の血中濃度は一定で推移する.食物中より毎日微量の供給を受けるが,これと見合った分が尿中へ排泄され,出入りのバランスが保たれている.減少して,1,5-AGの腎排泄閾値以下になると,尿糖がなければ尿細管より100%再吸収される.

 高血糖に伴う尿糖排泄により腎尿細管での再吸収が競合阻害を受けて尿中に排出され,血中濃度が低下する.血糖上昇が軽度で短時間であっても尿糖は速やかに排泄されるため,1,5-AGは各種指標のなかで,血糖変化を最も早くとらえて変化する先行指標となる1)

参考文献

1)Yamanouchi T, et al:Clinical usefulness of serum 1,5-anhydroglucitol in monitoring glycaemic control. Lancet 347:1514-1518, 1996
2)Dungan KM, et al:1,5-anhydroglucitol and postprandial hyperglycemia as measured by continuous glucose monitoring system in moderately controlled patients with diabetes. Diabetes Care 29:1214-1219, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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