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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 糖質および関連物質

インスリン受容体抗体,抗インスリン受容体抗体

著者: 内潟安子1

所属機関: 1東京女子医科大学糖尿病センター

ページ範囲:P.232 - P.233

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 インスリン受容体異常症という概念がKahnによってされた.これはインスリン受容体後のシグナル伝達に障害が起こるために,インスリン抵抗性を引き起こす疾患である.インスリンの血糖降下作用が不十分な状態になるため,血糖は上昇する.

 インスリン受容体異常症は,インスリン受容体そのものの異常によるインスリン受容体異常症をA型と,インスリン受容体の自己抗体が存在するためにインスリンのインスリン受容体への結合が阻害されるものをインスリン受容体異常症B型と,インスリン受容体結合以降のステップに異常が存在するインスリン受容体異常症C型がある.

参考文献

1)厚生労働省特定疾患ホルモン受容体機構異常調査研究班:平成17年度総括報告書,2005
2)Siddle K, et al:Monoclonal antibodies as probes of the structure and function of insulin receptors. Biochem Soc Trans 15:47-51, 1987
3)大森安恵,他:ヒト胎盤menbrane法を用いるインスリン受容体抗体の検討―本法により陽性を示した日本人6人症例について.糖尿病23:769-778, 1980
4)境 俊光,他:高血糖で発症し,自然経過でインスリン中止後も低血糖が持続したインスリン受容体異常症type Bの1例.糖尿病48:745-749, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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