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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 糖質および関連物質

血中ケトン体

著者: 阪本要一1 斎藤礼郎1

所属機関: 1慈恵医大晴海トリトンクリニック内科

ページ範囲:P.234 - P.236

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 血中ケトン体はアセト酢酸(acetoacetate:AcAc),β-ヒドロキシ酪酸(3-hydroxybutyrate:3-OHBA)およびアセトンの総称である.ケトン体は主として肝において脂肪酸より生成される.絶食,インスリン作用不足,カテコールアミン上昇時などで,糖質からのエネルギー供給が不足すると,生体は脂肪からエネルギー産生を行うことになり,脂肪分解が亢進し,血中遊離脂肪酸(free fatty acid:FFA)が増加する.FFAは肝ミトコンドリア内でβ酸化され,アセチルCoAとなる.このアセチルCoAからAcAcが生成され,さらに3-OHBA,アセトンへと代謝される.AcAcや3-OHBAは糖質の代わりに骨格筋,心筋,腎などで代謝され,エネルギー源となるが,糖質の不足状態が著しいと,脳細胞もこれらを利用する.

 ケトン体の産生は生理的には理にかなった生体反応であるが,体内でのケトン体処理能力を超えて,肝よりケトン体が供給された場合に血中蓄積が起こり,ケトン体血症(ケトーシス)となり,さまざまな病態に関与してくることになる.

参考文献

1)中谷寿男:動脈血中ケトン体比.救急医学25:809-815, 2001
2)原納 優,他:血中ケトン体.日本臨牀56(増刊号):79-90, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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