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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 脂質・リポ蛋白

総コレステロール

著者: 真下大和1 前田朝美1 寺本民生1

所属機関: 1帝京大学医学部附属病院内科

ページ範囲:P.240 - P.242

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 血清コレステロールには脂肪酸が結合していない遊離型コレステロール(25%)と脂肪酸とエステル結合したエステル型コレステロール(75%)があり,これを合わせたものを総コレステロール(total cholesterol:TC)と呼ぶ.コレステロールは血中では主として高比重リポ蛋白(high density lipoprotein:HDL),低比重リポ蛋白(low density lipoprotein:LDL)として,一部は超低比重リポ蛋白(very low density lipoprotein:VLDL),中間比重リポ蛋白(intermediate density lipoprotein:IDL),カイロミクロン(chylomicoron:CM)といったリポ蛋白の一部として存在し運搬されている.

 体内のコレステロールは,主として肝臓での合成,小腸からの吸収,胆汁へ排出(腸肝循環),そしてリポ蛋白受容体を介した異化機構のバランスで決定されている.ヒトの場合,肝臓でのコレステロールの合成量(1日約1.5~2.0g)は食事由来のコレステロール(1日約0.3g)より数倍多いため,主として血清コレステロール濃度を規定しているのは肝臓におけるコレステロール合成と異化である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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