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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 脂質・リポ蛋白
LDLコレステロール,HDLコレステロール
著者: 岡田正彦1
所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科予防医療学分野
ページ範囲:P.243 - P.244
文献購入ページに移動コレステロールは水に溶けにくく,そのままでは血液中を流れていくことができない.そのため,中性脂肪とともに両親媒性の膜(外側が親水性,内側が疎水性)に包まれ,粒子状となって存在している.この粒子をリポ蛋白と呼ぶ.リポ蛋白の膜はリン脂質と蛋白(数種類のアポリポ蛋白)で構成されており,その組成によってサイズ,比重,生理的意義などが異なる.
食事として摂取したコレステロールや脂肪酸は,腸管の細胞でカイロミクロンと呼ばれるリポ蛋白に組み込まれ,血液中に放出される.カイロミクロンは血液中でリポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase:LPL)によって代謝(中性脂肪が分解)され,少し小型のカイロミクロン・レムナント(代謝物)となり,肝臓に取り込まれる.
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