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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 血液ガス・電解質・微量金属

pH,HCO3-,base excess,PaCO2,PaO2,SaO2

著者: 諏訪部章1

所属機関: 1岩手医科大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.257 - P.260

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 動脈血液ガス分析によって体内の酸塩基平衡〔pH,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2),重炭素イオン濃度(HCO3-),base excess(BE)〕と呼吸不全〔PaCO2,動脈血酸素分圧(PaO2),酸素飽和度(SaO2)〕の評価ができる.

 血液のpHはPaCO2と水素イオン(H+)の総和であり,生体内では7.40±0.04と狭い範囲内に維持されている.pH 7.4以上をアルカレミア(alkalemia),pH 7.4以下をアシデミア(acidemia)と定義する.アルカレミアならびにアシデミアに至る生体の反応をアルカローシスならびにアシドーシスと称する.pH 7.2以下,pH 7.6以上はパニック値とされ,緊急な対処が必要である.HCO3-は体内では塩基として働く.HCO3-は,腎尿細管における再吸収量の増減により調整されている.BEは血中過剰塩基を表す.BEが0より大であれば代謝性アルカローシス,小であれば代謝性アシドーシスを意味する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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