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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 血液ガス・電解質・微量金属

血清銅

著者: 前田崇1 友安茂1

所属機関: 1昭和大学医学部内科学講座血液内科学部門

ページ範囲:P.270 - P.272

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 正常成人は体内に70~100mgの銅を有しており,その多くは肝臓,脳,骨髄に分布している.銅は食物を介して生体に取り込まれ,胃,上部小腸粘膜から1日に0.6~1.8mg吸収される.吸収された銅は銅輸送蛋白であるATP-7Aによって漿膜側に運搬され血管に入り,アルブミン(Alb),トランスキュプレイン(transcuprein)と結合して各臓器に運搬されるが,主体は肝臓である.肝臓に運ばれたAlb結合銅は肝臓内の銅運搬蛋白であるATP-7Bによって胆汁中に排泄されるか,またはアポセルロプラスミン(apo-ceruloplasmin)に取り込まれ,セルロプラスミン(ceruloplasmin)となり,血中に放出される(図1)1).セルロプラスミンに結合した銅はcytochrome oxidase, superoxide dismutaseなどに取り込まれると報告されている.この代謝経路に異常がみられると血清銅値も変化する.長期の経口摂取障害,腸の吸収障害,大便および尿への排泄増加が認められると血清銅は低下し,ホルモンによるセルロプラスミン合成亢進,胆道疾患による銅排泄障害では血清銅は上昇する.

参考文献

1)Cartwright GE, Wintrobe MM:Copper metabolism in normal subjects. Am J Clin Nutr 14:224-232, 1964
2)Wasa M, et al:Copper deficiency with pancytopenia during total parentenal nutrition. J Parenter Enteral Nutr 18:190-192, 1994
3)Karpel JT, Pedan VH:Copper deficiency in long term parenteral nutrition. Pediatrics 80:32-36, 1972

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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