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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 血液ガス・電解質・微量金属

Zn(亜鉛)

著者: 出居真由美1 三宅一徳1

所属機関: 1順天堂大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.278 - P.280

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異常値の出るメカニズム

 亜鉛(Zn)は生体内必須微量元素で,約300種類の酵素の活性中心として,細胞分裂や核酸代謝など重要な役割を果たす.亜鉛の生理作用は,①成長,②皮膚代謝,③生殖機能,④骨格の発育,⑤味覚・嗅覚の維持,⑥精神・行動への影響,⑦免疫機能など,多彩である.主な亜鉛含有酵素には,DNAポリメラーゼ,RNAポリメラーゼ,炭酸脱水素酵素,アルカリホスファターゼ(ALP),アルコール脱水素酵素,スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などがある.

 生体内亜鉛総量は約1.5~2.5gで,あらゆる組織に存在し,血液中には約0.5%が存在する.血清亜鉛の約2/3がアルブミン,約1/3がα2マクログロブリン,約1~2%はヒスチジン,シスチンなどと結合している.

参考文献

1)出居真由美,他:中高年者における血清亜鉛濃度は年齢とともに低下し,貧血に関与する.臨病理58:205-210, 2010
2)柳澤裕之:亜鉛.日臨68(増):309-313, 2010
3)荒川泰行,森山光彦:亜鉛.中井利昭(編):検査値のみかた,改訂2版,pp 520-525, 中外医学社,2000
4)Salwen MJ:Zinc(Zn), McPherson RA, Pincus MR(eds):Henry's clinical diagnosis and management by laboratory methods, 21th ed, pp 387-389, Saunders, New York, 2007
5)野本昭三,他:血清亜鉛値による亜鉛欠乏症検出システムの現況:その欠落部への提言.Biomed Res Trace Elements 14:335-337, 2003
6)日暮和彦,他:生化学自動分析装置を用いた亜鉛比色測定法.Biomed Res Trace Elements 18:380-385, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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