文献詳細
文献概要
特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 血液ガス・電解質・微量金属
フェリチン,血清鉄と鉄結合能
著者: 辻岡貴之1 通山薫1
所属機関: 1川崎医科大学検査診断学
ページ範囲:P.281 - P.284
文献購入ページに移動異常値の出るメカニズムと臨床的意義
体内の鉄貯蔵量を調べるために最も信頼性の高い検査は,肝生検で得られた組織中の鉄濃度測定と考えられている.しかし,この検査は侵襲を伴い,合併症のリスクを考慮すると安易に行うべき検査ではない.また,最近MRIを用いた肝鉄濃度測定法が注目されているが,まだ一般的ではない.
一方,日常臨床では血清フェリチン値が簡便に測定できる鉄貯蔵マーカーとしてよく利用されている.フェリチンは鉄を結合して貯蔵するための蛋白で,肝・脾・骨髄・胎盤などの組織に広く分布しており,その分布量は概ね血清中濃度と相関する.
参考文献
掲載誌情報