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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 血液ガス・電解質・微量金属

フェリチン,血清鉄と鉄結合能

著者: 辻岡貴之1 通山薫1

所属機関: 1川崎医科大学検査診断学

ページ範囲:P.281 - P.284

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フェリチン

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 体内の鉄貯蔵量を調べるために最も信頼性の高い検査は,肝生検で得られた組織中の鉄濃度測定と考えられている.しかし,この検査は侵襲を伴い,合併症のリスクを考慮すると安易に行うべき検査ではない.また,最近MRIを用いた肝鉄濃度測定法が注目されているが,まだ一般的ではない.

 一方,日常臨床では血清フェリチン値が簡便に測定できる鉄貯蔵マーカーとしてよく利用されている.フェリチンは鉄を結合して貯蔵するための蛋白で,肝・脾・骨髄・胎盤などの組織に広く分布しており,その分布量は概ね血清中濃度と相関する.

参考文献

1)Lee GR, et al:Wintrobe's Clinical Hematology, Williams&Wilkins, Baltimore, 1999
2)八幡義人:血清鉄,不飽和鉄結合能(UIBC),総鉄結合能(TIBC),フェリチン.和田 攻,他(編):臨床検査ガイド,pp 637-642,文光堂,2003
3)高後 裕,生田克哉:慢性炎症と貧血─鉄代謝ホルモンヘプシジン.日内会誌94:1158-1164,2005
4)生田克哉,島本悦宏,高後 裕:鉄代謝と病態.日本臨牀66:469-474,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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