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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 ビタミン

ビタミンA,B1,B2,B6,D,E

著者: 橋詰直孝1 内田菜穂子1

所属機関: 1和洋女子大学生活科学系人間栄養学研究室

ページ範囲:P.290 - P.292

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 血中ビタミンが低値に出る場合は,何らかの理由でビタミン摂取量が低下するか,ビタミン需要が増加するときである.各種ビタミンの異常値の出るメカニズムについて表1に示す.

 血中ビタミンが高値に出て,臨床的に問題となったのはビタミンA,D,Eである.ビタミンAが高値に出る場合はA過剰症(中毒),脂質異常症や脂肪肝をきたす過栄養,腎不全である.25(OH)D値が高値に出る場合はD過剰症(中毒)で,1α,25(OH)2Dが高値ならば原発性副甲状腺機能亢進症,慢性肉芽腫症,ビタミンD依存性くる病Ⅱ型,カルシウム欠乏症,1,25D産生悪性リンパ腫が考えられる.ビタミンEは脂質異常症で高値をきたす.

参考文献

1)橋詰直孝,本三保子,五十嵐紘美:高カロリー輸液とビタミンB1欠乏症.検査と技術34:1405-1407,2006
2)橋詰直孝:血中ビタミンB1値標準化に関する報告書(第1報):高速液体クロマトグラフィーによる測定法を中心に.ビタミン71:481-484,1997
3)橋詰直孝:ビタミン標準化検討委員会(ビタミンA,E,Cの標準値検討).臨床化学28(Suppl):532-542,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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