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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液生化学検査 血中薬物濃度

免疫抑制薬

著者: 中澤勇一1 宮川眞一1

所属機関: 1信州大学医学部移植外科

ページ範囲:P.302 - P.304

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免疫抑制薬血中濃度測定の臨床的意義

 シクロスポリン(cyclosporine A:CyA)とタクロリムス(tacrolimus:Tac)はT細胞でのインターロイキン2(interleukin-2:IL-2)・インターフェロンγ(interferon-γ:IFN-γ)などのサイトカインの産生を抑制するカルシニューリン阻害薬に属する免疫抑制薬である.これら薬剤の投与に際しては,消化管での吸収,代謝あるいは排泄が,個体間・個体内で顕著に異なっているため,血中濃度をモニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)し,各疾患・病態ごとに設定される至適濃度を維持するように,その投与量を調節しなければならない.これら免疫抑制薬は臓器移植後の拒絶反応(拒否反応)の予防以外にも,CyAはBehçet病,再生不良性貧血,赤芽球癆,尋常性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症,関節症性乾癬,全身性重症筋無力症,重症アトピー性皮膚炎,ネフローゼ症候群に,Tacは全身性重症筋無力症,関節リウマチ,ループス腎炎の治療薬として使用される.

参考文献

1)First MR:Tacrolimus based immunosuppression. J Nephrol 17(Suppl 8):S25-31, 2004
2)Morris RG:Immunosuppressant drug monitoring;Is the laboratory meeting clinical expectations? Ann Pharmacother 39:119-127, 2005
3)Belitsky P, et al:Impact of absorption profiling on efficacy and safety of cyclosporin therapy in transplant recipients. Clin Pharmacokinet 39:117-125, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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