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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 内分泌学的検査 下垂体

PRL(プロラクチン),LH(黄体化ホルモン),FSH(卵胞刺激ホルモン)

著者: 伊藤理廣1 峯岸敬2

所属機関: 1社会保険群馬中央総合病院産婦人科 2群馬大学大学院医学系研究科産科婦人科学

ページ範囲:P.312 - P.315

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プロラクチン(PRL)

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 プロラクチン(prolactin:PRL)は単一のポリペプタイドで構成される蛋白ホルモンである.構造的にはヒト成長ホルモンや胎盤性ラクトーゲンに類似している.PRLは下垂体前葉のPRL分泌細胞で産生されるほか,子宮筋層,黄体期後期の子宮内膜や妊娠中の脱落膜からも産生される.

 その分泌は分泌抑制因子(proliferation-inhibiting factor:PIF)による調節がメインである.PIFにはドーパミンが知られている.PRLを分泌促進させるものとして,甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyrotropin-releasing hormone:TRH)が知られている.このため,分泌抑制因子であるドーパミンの産生不全,転送不全が高PRL血症をもたらし,TRHの過剰も高PRL血症を引き起こす.また,PRL産生腫瘍(下垂体腺腫など)も高PRL血症を引き起こす.高PRL血症は乳腺で乳汁漏出症,視床下部-下垂体-性腺系で性腺機能低下(無月経,インポテンツなど)を引き起こす.

参考文献

1)村井一郎:PRL.臨床検査52(増刊号):1184-1188, 2008
2)苛原 稔,他:下垂体性ゴナドトロピン標準品を用いたLHおよびFSHのImmunoradiometric測定法(スパック-S LH,スパック-S FSH)の基礎的検討.ホルモンと臨床36:1223,1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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