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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺
TSHレセプター抗体
著者: 村上正巳1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学
ページ範囲:P.335 - P.337
文献購入ページに移動 甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone:TSH)レセプター抗体は,①TSHレセプターへの自己抗体の結合を検出する方法であるレセプターアッセイと,②抗体による甲状腺細胞の刺激活性あるいは抑制活性を指標として測定する方法であるバイオアッセイの2通りの方法によって測定される.前者に属するものとしては,標識されたTSHやモノクローナル抗体のTSHレセプターへの結合阻害作用を指標として検出されるTRAb(TSH receptor antibodies)と一般に呼ばれるTSH結合阻害抗体(TSH-binding inhibitor immunoglobulins:TBII)があり(図1),後者に属するものとしては甲状腺細胞のcAMP産生能を指標として検出される甲状腺刺激抗体(thyroid stimulating antibodies:TSAb)ならびにTSH作用を阻害するブロッキングタイプの抗体を検出するTSHによる刺激の抑制効果をみる甲状腺刺激阻害抗体(thyroid stimulation blocking antibodies:TSBAb)が挙げられる(図2).
参考文献
1)村上正巳:甲状腺関連自己抗体―測定法の進歩.内分泌糖尿病22:632-639, 2006
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