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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺
PTH(副甲状腺ホルモン),PTHrP(副甲状腺ホルモン関連蛋白)
著者: 堀倫子1 福本誠二1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院腎臓内分泌内科
ページ範囲:P.341 - P.343
文献購入ページに移動異常値の出るメカニズムと臨床的意義
副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)は,84個のアミノ酸からなる分子量9.3kDaのペプチドホルモンである.PTHは主として腎臓と骨に発現するPTH/PTHrP受容体(PTH1受容体)に作用し,血中のカルシウム(Ca)濃度を上昇させ,リン(P)濃度を低下させる.PTHの分泌調節上,最も重要なものは血中イオン化カルシウム(Ca2+)濃度である.Ca2+濃度の上昇は,副甲状腺細胞表面に存在するCa感知受容体(calcium-sensing receptor:CASR)を介してPTH分泌を抑制する.したがって,副甲状腺自体の問題に加え,血中Ca濃度に異常がある場合にも,血中PTH濃度は二次的に変動する.
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