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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 内分泌学的検査 副腎

尿中メタネフリン,尿中VMA

著者: 磯部和正1

所属機関: 1筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床病理

ページ範囲:P.355 - P.356

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 カテコールアミンがO-メチル化されるとメタネフリンとなり,さらにアミノ基が酸化されると,最終的にVMA(vanillylmandelic acid:バニリルマンデル酸)となる.アドレナリンがO-メチル化されるとメタネフリンが,ノルアドレナリンがO-メチル化されるとノルメタネフリンがそれぞれ生じる.カテコールアミンは産生・放出後,速やかに再吸収や代謝を受けるので,カテコールアミンよりも代謝物の濃度のほうが高くなり,カテコールアミン産生亢進などにより異常高値を示す.

 カテコールアミンは副腎髄質や交感神経終末から放出されるホルモンである.褐色細胞腫腫瘍組織からも過剰に産生・放出され,高血圧や動悸などの症状を呈することになる.

参考文献

1)Unger N, et al:Diagnostic value of various biochemical parameters for the diagnosis of pheochromoytoma in patients with adrenal mass. Eur J Endocrinol 154:409-417, 2006
2)Eisenhofer G, Lenders JW, Pacak K:Biochemical diagnosis of pheochromocytoma. Front Horm Res 31:76-106, 2004
3)Isobe K, et al:Pathogenesis of pheochromocytoma. Front Horm Res 31:26-45, 2004
4)磯部和正:血中・尿中カテコールアミン,尿中メタネフリン,ノルメタネフリン.検査と技術 38:17-21, 2010
5)横山千恵,他:日本人における血中遊離メタネフリン・ノルメタネフリン測定の検討.日本臨床検査自動化学会会誌 35:39-43, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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