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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 内分泌学的検査 そのほかのホルモン

ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド),BNP(NT-proBNP,脳性ナトリウム利尿ペプチド)

著者: 石井潤一1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部臨床検査科

ページ範囲:P.369 - P.371

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 心房性ナトリウム利尿ペプチド(atrial natriuretic peptide:ANP)と脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide:BNP)は心臓から分泌されるホルモンである.グアニル酸シクラーゼ活性を有する機能的受容体(NPR-A受容体)に結合し,ナトリウム利尿作用,血管拡張作用,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系抑性作用や交感神経系抑制作用などの生理作用を発揮する

 N末端プロBNP(NT-proBNP)は76個のアミノ酸より構成されるペプチドである.プロBNPは心筋内で蛋白分解酵素corinによって,生理作用のあるBNPと生理作用のないNT-proBNPに分裂し,1:1の等モル比で血中に逸脱する.

参考文献

1)石井潤一:新しい心機能・心不全の生化学マーカー“N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)”の臨床展開.臨床化学 37:283-291, 2008
2)石井潤一,菱田 仁:BNPの有用性と問題点.現代医学 55:373-379, 2007
3)佐藤幸人,藤原久義,鷹津良樹:循環器疾患における血中BNP,NT-proBNP測定の意義.日心臓病会誌 3:163-177, 2008
4)Nakamura M, et al:Value of plasma B type natriuretic peptide measurement for heart disease screening in a Japanese population. Heart 87:131-135, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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