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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 感染関連検査〈ウイルス関連検査〉

サイトメガロウイルス

著者: 吉無田太郎1 本田順一1

所属機関: 1社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院感染症科

ページ範囲:P.404 - P.405

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

■血清学的検査(抗体価測定法:補体結合反応・酵素抗体法・蛍光抗体法)

 サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)は幼少期から水平感染や産道感染,輸血,性行為など,さまざまな経路から不顕性感染する.抗体保有率が,70%程度まで低下しているとの報告1)もあり,多くの人が抗体陽性となっているが,判定にはペア血清で抗体価を評価しなければならない.また,非感染例でも免疫グロブリン投与でIgG抗体が陽転化する2)ため,注意が必要である.しかしながら,CMV抗体上昇に時間がかかることもあり,早期診断ができず,血清学的検査は臨床的に有用ではない.

参考文献

1)干場 勉,他:妊婦のサイトメガロウイルス抗体保有率の低下.日本臨牀 56:193-196, 1998
2)日本造血細胞移植学会ガイドライン委員会「サイトメガロウイルス感染症」作業部会:造血細胞移植ガイドライン─サイトメガロウイルス感染症,JSHCT monograph 1:1-17,1999
3)Honda J, et al:Rapid and sensitive diagnosis of cytomegalovirus and Pneumocystis carinii pneumonia in patients with haematological neoplasia by using capillary polymerase chain reaction. Brit J Haematol 86:138-142, 1994
4)Compton J:Nucleic acid sequence-based amplification. Nature 350:91-92, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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