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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 感染関連検査〈ウイルス関連検査〉

ロタウイルス

著者: 前田明彦1 藤枝幹也1 脇口宏1

所属機関: 1高知大学医学部小児思春期医学教室

ページ範囲:P.406 - P.407

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 ロタウイルスはレオウイルス科の二本鎖RNAウイルスであり,白色ないし黄白色の下痢を特徴とする胃腸炎を起こす.従来は1~2月に流行し,冬季の嘔吐下痢であったが,近年,4~5月の春の感染症に変わってきている.潜伏期間は1~3日で糞口感染する.

 5歳までにほとんどの子どもが感染する.生涯免疫ではなく,何度でも感染は起きるが,初めての罹患が最も重症化しやすい.予備能の低い0~2歳児がロタウイルス胃腸炎に罹患すると容易に脱水を起こし,入院治療を要することも多い.稀に脳症の合併例も経験される.今なおわが国でも死亡例が報告されており,世界中で1年間に1億1千万人が罹患,200万人が入院し,44万人が死亡している.脱水の極期に腎前性腎不全を起こすことは一般的に認識されていたが,高尿酸血症から尿酸結石を合併し,極期を超えた時期に腎後性腎不全を起こす例があることが報告され,注目されている.

参考文献

1)Vesikari T, et al:Safety and efficacy of a pentavalent human-bovine (WC3) reassortant rotavirus vaccine. N Engl J Med 354:23-33, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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