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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 感染関連検査〈微生物の抗原・抗体検査〉

ASO,ASK

著者: 内山聖1 太田亜里美2

所属機関: 1新潟大学医歯学総合病院 2新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科

ページ範囲:P.412 - P.413

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 溶血性レンサ球菌(溶連菌)は,ストレプトリジンO,ストレプトキナーゼ,デオキシリボヌクレアーゼB,ヒアルロニダーゼなどの菌体外毒素を産生する.これらの毒素はヒトに対して強い抗原性があるため,患者血中に抗体が産生される.

 溶連菌にはA~G群があり,このうち臨床的に最も問題になるのはA群溶連菌である.化膿性疾患,猩紅熱,扁桃腺炎,膿痂疹などの原因になるほか,免疫学的機序により二次的にリウマチ熱や急性糸球体腎炎を続発する.溶連菌感染を臨床的かつ細菌学的に確認できなくなった時点でも,菌体外毒素に対する抗体〔ASO(antistreptolysin-O),ASK(antistreptokinase)など〕を測定すると溶連菌感染の診断ができるため,特に続発症(二次性合併症)を診断する際に有用な検査である.

参考文献

1)加野象次郎:レンサ球菌感染症の血清学的診断.日本臨牀 63(増刊号):127-136, 2005
2)小児基準値研究班:日本人小児の臨床検査基準値.(財)日本公衆衛生協会,pp 317-324,1996
3)内山 聖,内山 聡:ASO, ASK. medicina 42(増刊号):394-395, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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