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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

リウマトイド因子

著者: 熊谷俊一1

所属機関: 1神鋼病院膠原病リウマチセンター

ページ範囲:P.446 - P.448

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 リウマトイド因子(rheumatoid factor:RF)はウサギ抗体感作ヒツジ赤血球を凝集させる物質(ロイマ因子)として,関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)患者血清中に発見された.RFはIgGに対する自己抗体であることが明らかにされたが,その産生機序はいまだ不明である.その後,抗原もヒトIgGが用いられ,赤血球の代わりにラテックス粒子(RAテスト)やゼラチン粒子(RAPA)を用いた定性法や半定量法が開発されてきた.現在は定量法が主流となり,LA-TIA(ラテックス凝集免疫比濁法)やLA-NIA(ラテックス凝集免疫比ろう法),TIA(免疫比濁法)などがあるが,これらの検査は主にはIgMクラスのRFを検出する.

 RFにはIgAやIgGなど,ほかのクラスも存在することが知られ,そのうちIgG-RFは保険収載されている.また,RA患者由来のIgGのCH2ドメインに結合しているN-グリコシド型糖鎖はガラクトースを欠いていることが知られ,これを抗原とした抗ガラクトース欠損IgG抗体(CA・RF)が開発された.CA・RFは検出にレクチンを使用しているため,すべてのクラスのRFを測定すると考えられ,早期診断での有用性が期待されるが,非RAでの陽性例も多い4)

参考文献

1)熊谷俊一:自己免疫疾患の新しい検査─質の高い診断と診療のために.日内会誌97:2262-2268, 2008
2)熊谷俊一,西村邦宏,林 伸英:免疫検査の最近の話題(2)─関節リウマチ.臨病理52:836-843, 2004
3)Bossuyt X, et al:Likelihood ratios as a function of antibody concentration for anticyclic citrullinated peptide antibodies and rheumatoid factor. Ann Rheum Dis 68:287-289, 2009
4)熊谷俊一,他:自己抗体検査の全国サーベイとそれに基づく標準化の検討.臨病理57:31-41, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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