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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

LE細胞

著者: 窪田哲朗1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科

ページ範囲:P.452 - P.453

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 LE細胞は1948年に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の骨髄穿刺液塗抹標本中からHargravesら1)によって偶然発見された.やがて,抗核抗体,抗DNA抗体などの存在も知られるようになり,1950年代にはSLEは自己免疫疾患と認識されるようになった2)

 LE細胞を観察する検体は末梢血液でもよい.いずれにしても,検体採取後数時間の間に生じるin vitroの現象であり,死細胞の核物質に自己抗体や補体が結合し,これを好中球が貪食して,みずからの核が辺縁に押しのけられた独特の形態(図1)を示すようになったものである3).LE細胞の形成には,ヒストンH1を含むヌクレオソームと反応する抗体が重要であるといわれている4)

参考文献

1)Hargraves MM, et al:Presentation of two bone marrow elements;The tart cell and the LE cell. Mayo Clin Proc 23:25-28, 1948
2)佐々木毅:LE細胞現象.日内会誌91:2581-2585, 2002
3)Hepburn AL:The LE cell. Rheumatology 40:826-827, 2001
4)Schett G, et al:The lupus erythematosus cell phenomenon;Comparative analysis of antichromatin antibody specificity in lupus erythematosus cell-positive and -negative sera. Arthritis Rheum 43:420-428, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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