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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗アセチルコリン受容体抗体

著者: 鈴木秀和1 楠進1

所属機関: 1近畿大学医学部神経内科

ページ範囲:P.458 - P.459

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 アセチルコリン受容体(acetylcholine receptor:AChR)は,後シナプス膜に局在し,アセチルコリンを伝達物質としている.この受容体蛋白質AChRに対する抗体(抗AChR抗体)は重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)の発症機序の主役である.抗AChR抗体の存在は,AChR数の減少,シナプス間隙開大,シナプス壁単純化を引き起こし,運動終板電位の低下を招き,臨床症状として,易疲労感,脱力をもたらす.

 抗AChR抗体には結合抗体と,阻止抗体があり,前者はAChRとα-bungarotoxin複合体に結合する抗体で,後者はα-bungarotoxinのAChRの結合を阻止する抗体である.一般的にMG患者では,結合抗体は阻止抗体に比して陽性率が高く,臨床的意義が高いとされている.

参考文献

1)Lindstrom J:An assay for antibodies to human acetylcholine receptor in serum from patients with myasthenia gravis. Clin Immunol Immunopathol 7:36-43, 1977
2)Mickle DAG, et al:Measurement of human skeletal muscle acetylcholine receptors. Clin Biochem 16:163-166, 1983
3)高守正治:抗アセチルコリン受容体抗体.神経疾患 1:247-251, 1999
4)吉川弘明:重症筋無力症における免疫療法の現状と展望.神経治療学 21:31-40, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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