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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 腫瘍マーカー 消化器系

CEA(癌胎児性抗原)

著者: 三方林太郎1 横須賀收1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院腫瘍内科学

ページ範囲:P.515 - P.517

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 CEAは,1965年,Goldらによってヒト大腸癌および胎児組織に見いだされた糖蛋白質であり,癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen)と名付けられた.668個のアミノ酸よりなるIgG supergene familyの一員で,その28カ所に糖鎖結合部位をもち,分子量の50~60%が糖鎖で占められている1).CEAは微量ながら,正常成人においても,胃,大腸,胆管などの粘膜上皮に発現している.上皮細胞膜の管腔側の表面に存在し,通常,血液や組織液と接することなく排泄され,血中には認められない.しかし,癌組織においては,細胞極性が乱れ組織構築が壊れ,管腔側だけでなく細胞膜全体からCEAが分泌され,血管,リンパ管へ流出するようになる.CEAは肝で異化されるため,その血中濃度は腫瘍組織における産生量,血中への移行量,肝での異化量などに依存している.

参考文献

1)田中真樹,渡邉直樹:血清腫瘍マーカー.臨と研87:55-61,2010
2)小倉久直,他:腫瘍マーカー臨床マニュアル,p 175,医学書院,1999
3)日野田裕治,今井浩三:CEA.古澤新平,金山正明,橋本博史(編):臨床検査診断マニュアル,pp 692-696,永井書店,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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