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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 腫瘍マーカー 消化器系
CA50
著者: 岡田祐二1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科学
ページ範囲:P.524 - P.526
文献購入ページに移動異常値の出るメカニズムと臨床的意義
1983年,Lindholmらにより発見されたCA50(carbohydrate antigen 50)は,ヒト大腸癌由来培養細胞株Colo-205をマウスに免疫して得られたモノクローナル抗体C50(IgMクラス)によって認識される糖鎖抗原である.CA50はCA19-9と構造が近似しているため,CA19-9と同様に固形癌特に膵癌に対するマーカーとして注目されている.また,血液型の遺伝形質であるLeaの陰性者(全人口の4~10%)はCA19-9を産生できないのに対し,CA50はLeaの有無に関係なく合成される点がCA19-9よりも有用と考えられたが,いまだ十分な証明はなされていない.
異常値の出るメカニズムは,癌化に伴う形質変化は糖鎖部分に起こる場合が多く,上皮細胞の産生するムチン上の糖鎖が癌性変化を起こし,それが血中に流出し,異常値として臨床的に検出されることとなる.このため,CA50は臨床的には膵臓および胆道系悪性腫瘍に対する腫瘍マーカーとして利用され,主としてこれら領域の癌の診断・経過観察に用いられる.
1983年,Lindholmらにより発見されたCA50(carbohydrate antigen 50)は,ヒト大腸癌由来培養細胞株Colo-205をマウスに免疫して得られたモノクローナル抗体C50(IgMクラス)によって認識される糖鎖抗原である.CA50はCA19-9と構造が近似しているため,CA19-9と同様に固形癌特に膵癌に対するマーカーとして注目されている.また,血液型の遺伝形質であるLeaの陰性者(全人口の4~10%)はCA19-9を産生できないのに対し,CA50はLeaの有無に関係なく合成される点がCA19-9よりも有用と考えられたが,いまだ十分な証明はなされていない.
異常値の出るメカニズムは,癌化に伴う形質変化は糖鎖部分に起こる場合が多く,上皮細胞の産生するムチン上の糖鎖が癌性変化を起こし,それが血中に流出し,異常値として臨床的に検出されることとなる.このため,CA50は臨床的には膵臓および胆道系悪性腫瘍に対する腫瘍マーカーとして利用され,主としてこれら領域の癌の診断・経過観察に用いられる.
参考文献
1)澤武紀雄,他:CA50とDU-PAN-2の性状と診断応用.谷内 昭(編):消化器病セミナー30.へるす出版,pp 77-89,1988
2)石井 勝,他:CA50 EIAキットの基礎的検討ならびに臨床的有用性.癌と化学 14:2548-2555,1987
3)大倉久直,他:デルフィアCA50臨床データ集計報告.臨検 33:846-850,1989
4)Lindholm L, et al:Monoclonal antibodies against gastrointestinal tumour-associated antigens isolated as monosialogangliosides. Int Archs Allergy Appl Immun 71:178-181, 1983
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