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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 腫瘍マーカー 消化器系

DU-PAN-2

著者: 濱田晋1 下瀬川徹1

所属機関: 1東北大学病院消化器内科

ページ範囲:P.538 - P.539

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 DU-PAN-2はヒト膵癌細胞株であるHPAF-1を免疫原として作製されたモノクローナル抗体により認識される糖蛋白質である.DU-PAN-2はシアリルLewis A抗原に属し,同じくシアリルLewis A抗原に属するCA(carbohydrate antigen:糖鎖抗原)19-9の前駆体である.CA19-9は膵癌,胆道癌をはじめとした各種消化器癌に対して広く用いられている腫瘍マーカーであるが,日本人の5~10%にみられるLewis抗原陰性者ではもともと体内での産生が起こらないため,検出不能となる1).これに対して,DU-PAN-2は腫瘍の存在によって糖鎖の産生が増大することで血中濃度が上昇するため,Lewis抗原陰性者においても有用な腫瘍マーカーとなり得る.

 DU-PAN-2は膵・胆道系の癌,肝癌において陽性率が高く,胃癌・大腸癌における陽性率が低いため,診断上有用である.しかしながら,CA19-9と同様,胆道系の閉塞による胆汁うっ滞によっても血中濃度が上昇することが知られている.

参考文献

1)江後京子,他:CA19-9の測定値からルイス式血液型抗原陰性例を推定する検討─CA19-9非産生[Le(a-b-)]例選別の試み.松仁会医学誌 46:7-11,2007
2)西野隆義,他:膵酵素と腫瘍マーカー.臨消内科 21:1731-1736,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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