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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 腫瘍マーカー 乳腺・婦人科系
CA125
著者: 駒井幹1 嘉村敏治1
所属機関: 1久留米大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.547 - P.549
文献購入ページに移動CA125は1981年にBastらによってヒト卵巣漿液性囊胞腺癌株を免疫源として作製されたモノクロナール抗体OC125によって認識される分子量約11万の糖鎖抗原である.正常では卵巣上皮や腹膜などに存在するMüller氏管上皮由来の中皮細胞で産生され,子宮卵管内膜,卵管上皮,胸腹膜,心囊膜などに発現している.原疾患の良・悪性にかかわらず,病変が胸・腹膜などの発現臓器に及ぶと,中皮細胞の増殖が起こり,反応性にCA125が産生される.原疾患が悪性の場合はこれらの局在組織の破壊により血中に逸脱し,さらに高値を示すと考えられている.また,エストロゲンの影響を受けるため女性に高値であり,月経周期や妊娠の有無に影響される.また,IL-2などのサイトカインによっても産生が増加するので,腹膜炎などの炎症性疾患でも上昇する.
このように,悪性疾患以外でも高値を示すことがあり,臨床上,評価に注意を要する.
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