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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 腫瘍マーカー 乳腺・婦人科系

CA15-3

著者: 甘利正和1 大内憲明1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科腫瘍外科学

ページ範囲:P.550 - P.552

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 CA15-3(carbohydrate antigen 15-3)は,2つのモノクローナル抗体(ヒト乳汁の脂肪球膜に対するモノクローナル抗体115D8と乳癌肝転移細胞の膜成分に対するモノクローナル抗体DF3)により認識される糖蛋白抗原であり,放射免疫測定法(radioimmunoassay:RIA法)により血清値を測定する.検体採取条件は,採血後2時間以内に低温遠心機(4℃)で血清に分離する.血清で約0.4mlを要し,測定時まで-20℃で凍結保存する.検体の安定性は12週間とされている.

 乳癌の腫瘍マーカーとして感度が高く,特異性に優れており,術後再発の予知,進行・再発乳癌に対する治療効果判定の補助として有用であるが,早期乳癌の発見には有用ではない.

参考文献

1)甘利正和,大内憲明:CA15-3.中井利昭(編):検査値のみかた,第3版,pp 695-697,中外医学社,2006
2)Harris L, et al:American Society of Clinical Oncology 2007 update of recommendations for the use of tumor markers in breast cancer. J Clin Oncol 25:5287-5312, 2007
3)Kurebayashi J, et al:Significance of serum carcinoembryonic antigen and CA 15-3 in monitoring advanced breast cancer patients treated with systemic therapy;A large-scale retrospective study. Breast Cancer 10:38-44, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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