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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 腫瘍マーカー 泌尿器系

PSA

著者: 伊藤一人1 宮久保真意1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学

ページ範囲:P.553 - P.555

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 前立腺特異抗原(prostate-specific antigen:PSA)はプロテアーゼ活性を有するカリクレインファミリーに属する分子量約34,000の糖蛋白質であり,生理的には精液の液状化に関係している.単位組織当たりのPSA産生量は前立腺癌より正常前立腺組織で多いが,癌組織は基底膜がなく,血管を破壊/侵襲しながら増大するため,組織中のPSAが漏出し,血中のPSA値は上昇する.

 血清中PSAのうち5~40%は生理活性をもたないPSAで,遊離型PSAとして存在する.その他のプロテアーゼ活性を有するPSAはプロテアーゼ阻害物質と複合体を形成し,結合型PSAとして存在する.α1-アンチキモトリプシン(α1-antichymotripsin:ACT)と結合(PSA-ACT)する割合が多く,日常臨床で測定可能である.一部はα2-マクログロブリンと結合するが,通常の免疫学的測定では検出不可能である.

参考文献

1)Jemal A, et al:Cancer statistics 2009. CA Cancer J Clin 59:225-249, 2009
2)Schröder FH, et al:Screening and prostate-cancer mortality in a randomized European Study. N Engl J Med 360:1320-1328, 2009
3)Roobol MJ, et al:Prostate cancer mortality reduction by prostate-specific antigen-based screening adjusted for nonattendance and contamination in the European Randomised Study of Screening for Prostate Cancer(ERSPC). Eur Urol 56:584-591, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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