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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 細菌検査 検体別同定検査各論
グラム染色
著者: 菅野治重1
所属機関: 1髙根病院内科
ページ範囲:P.558 - P.560
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グラム染色は感染症の顕微鏡検査の中心的検査として広く利用されている検査法である.グラム染色法を表1に示したが,前染色にクリスタル紫,後染色にサフラニンまたはフクシンを用いる多重染色法である.グラム染色は細菌の細胞壁の主成分であるペプチドグリカン層が厚いグラム陽性菌は濃い紫色に,ペプチドグリカンが薄いグラム陰性菌は赤色に染色する.グラム染色では増殖期の細胞を用いる必要があり,静止期の細胞や抗菌薬の作用で細胞壁が傷害された細胞はグラム染色性が陰性化することがある.細胞壁のないマイコプラズマは染色されない.細胞内細菌はグラム染色では染色されにくい場合がある.グラム染色は細胞の観察にも利用でき,特に炎症細胞の所見は,感染症の有無,感染症の病期,病原微生物の種類などを推定するうえで重要な情報となる.
グラム染色は感染症の顕微鏡検査の中心的検査として広く利用されている検査法である.グラム染色法を表1に示したが,前染色にクリスタル紫,後染色にサフラニンまたはフクシンを用いる多重染色法である.グラム染色は細菌の細胞壁の主成分であるペプチドグリカン層が厚いグラム陽性菌は濃い紫色に,ペプチドグリカンが薄いグラム陰性菌は赤色に染色する.グラム染色では増殖期の細胞を用いる必要があり,静止期の細胞や抗菌薬の作用で細胞壁が傷害された細胞はグラム染色性が陰性化することがある.細胞壁のないマイコプラズマは染色されない.細胞内細菌はグラム染色では染色されにくい場合がある.グラム染色は細胞の観察にも利用でき,特に炎症細胞の所見は,感染症の有無,感染症の病期,病原微生物の種類などを推定するうえで重要な情報となる.
参考文献
1)菅野治重:抗菌薬.検と技37(増刊号):922-926, 2009
2)菅野治重:尿路感染症.検と技37(増刊号):940-945, 2009
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