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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 細菌検査 検体別同定検査各論

便細菌検査

著者: 詫間隆博1 和久田梨香2 二木芳人1

所属機関: 1昭和大学医学部臨床感染症学 2昭和大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.566 - P.567

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 便細菌検査のほとんどは便培養検査によって行われる.便中には大量の常在細菌がおり,それらをすべて評価することは現実的には不可能であるため,感染症法の3類感染症や一部の食中毒原因菌の赤痢菌・サルモネラなどをターゲットとして選択培地を用いて検査され,そのほかは無視されることが通常である.カンピロバクターなど特殊培地・培養法を要するものはルーチン検査に入れず,検査には別途オーダーを必要とする施設も多い.抗菌薬関連性腸炎の原因菌検索も,特別に依頼がないと行われない場合が多い.

 そのため,便培養検査で有意な菌が見つかるのは,一部の3類感染症などと,臨床的に原因菌を疑って検査依頼できた場合であり,それに該当しない場合は便中に腸管感染の原因菌が多数いても見逃される可能性も十分ある.したがって,漫然と便培養検査を提出しても望む結果が得られることは少なく,無駄な検査になるため,適応と検査法を十分考慮する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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