icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 細菌検査 検体別同定検査各論

髄液培養検査

著者: 平田泰良1 野々山勝人2 砂川慶介13

所属機関: 1北里大学病院感染管理室 2海老名総合病院小児科 3北里大学北里生命科学研究所

ページ範囲:P.571 - P.573

文献購入ページに移動
異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 脳脊髄液(cerebrospinal fluid:CSF.以下,髄液)は脳室内の脈絡膜叢で産生され,成人の総量は90~150ml(乳児40~60ml),成人の産生量は1日450ml程度と考えられている.脳や脊髄(中枢神経系)は髄膜(軟膜・くも膜・硬膜)で保護され,髄液は髄膜内を潤し,くも膜絨毛から静脈洞で吸収される.髄液は中枢神経組織を保護しているので,ここに発生した病変は髄液に反映される.

 中枢神経系の感染症は,病原体が血液を介して中枢神経系に侵入し感染したと考えられ,重篤な疾患も多く,早期診断と治療を行わないと予後に影響する.

参考文献

1)河合 忠,屋形 稔,伊藤義久(編):異常値の出るメカニズム,第5版,pp 65-70,医学書院,2009
2)黒木美鈴:頭痛を訴える患者さん―緊急検査か鎮痛薬か,河野 茂(編):感染症のとらえかた,pp 77-89,文光堂,2001
3)日本神経学会・日本神経治療学会・日本神経感染症学会(監修):日本神経学会ガイドライン―細菌性髄膜炎の診療ガイドライン.臨床神経47:245-306, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?