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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 細菌検査 検体別同定検査各論
レジオネラ尿中抗原
著者: 石橋令臣1 國島広之1 賀来満夫1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座感染制御・検査診断学分野
ページ範囲:P.574 - P.575
文献購入ページに移動レジオネラ症はLegionella属菌による感染症である.土壌や冷却・配水システムなどの環境に生息し,エアロゾル化した菌の吸入により感染することが多い.レジオネラ症は1976年,米国フィラデルフィアで在郷軍人集会が開催された際に,宿泊客のうち,221人が原因不明の肺炎に罹患し,34人が死亡したとして報告されて以来,市中肺炎の原因菌の1つであるとともに,循環式浴槽などに起因する集団感染事例の報告がある.急速に発症する重症肺炎のほか,稀にポンティアック熱と呼ばれる感冒様症状を有する熱性疾患がみられる.
レジオネラ属菌は現在までに50菌種,3亜種および70以上の血清グループが報告されている.ヒトに病原性を示すものとして,主にLegionella pneumophiliaがあり,その他L. longbeachae, L. bozemaniiなどがみられる.わが国のレジオネラ症では,L. pneumophilia血清型(serogroup:SG)-1が最も多く,次いでSG-2, 3などが多いとされる1).
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