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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 細菌検査 感受性検査

ディスク法

著者: 福地邦彦1

所属機関: 1昭和大学医学部臨床病理

ページ範囲:P.580 - P.583

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 現在,臨床検査室において抗菌薬感受性検査はディスク法と微量液体希釈法の2つが行われている.どちらもin vitroでの被検細菌の生育が検査目的の抗菌薬により抑制されること,すなわち表現形質を判定する検査である.

 ディスク法は細菌の抗菌薬感受性を定量的に判定する手技であり,小さい吸水性の紙の円板に既知量の抗菌薬を含ませたもの(ディスク)を使用して行う.検査対象とする菌株を塗り広げた寒天平板の上表面にこのディスクを置き,培養を行う.ディスクは培地中の水分を吸収して抗菌薬が溶解し,ディスクから培地中へ拡散し,時間とともにディスク周囲の培地中に染み出た抗菌薬の濃度勾配ができあがる.被検菌は増殖を開始するが,菌の感受性に従い,高濃度領域では発育が阻止され,発育阻害の同心円(阻止円)ができあがる(図1).検査手技が確実であれば,この阻止円の直径はほとんどの抗菌薬において微量液体希釈法で求められる最小発育阻止濃度(minimal inhibitory concentration:MIC)値と相関する.したがって,感染症治療の現場では,簡便で,多くの薬剤に即応でき,かつ信頼度の高い抗菌薬感受性検査として利用される.

参考文献

1)Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI):Performance Standards for Antimicrobial Disk Susceptibility Testing;Twentieth Informational Supplement CLSI document M100-S20. Pennsylvania, USA, 2010
2)松本慶蔵,本間守男(監訳):グラッドウォール臨床検査学,第IV巻;微生物学.医歯薬出版,1980

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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