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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 細菌検査 感受性検査

MIC(微量液体希釈法)

著者: 大野章1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物・感染症学講座

ページ範囲:P.584 - P.586

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MIC測定の意義

 最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration:MIC)測定は,感染症の原因菌に対する適切な抗菌薬を選択するための検査法である.MIC測定法には寒天平板希釈法と液体希釈法があるが,現在は液体希釈法の1つである微量液体希釈法がスタンダードになっている.

 微量液体希釈法は通常96ウェルのプレートに,測定対象となる複数種類の抗菌薬をMüller-Hinton液体培地に溶解し,その2倍希釈系列を1列のウェルに作製する〔例えば128, 64, 32, ……0.06μg/mlなどで,96ウェルであれば8列(8薬剤)で12段階希釈系列作製可能〕.一方で,臨床材料から分離した原因菌を培養し,生じたコロニーを釣菌し,滅菌生理食塩水に懸濁して1×108CFU/mlの接種菌液を調製する.これを滅菌生理食塩水で10倍に希釈し,最終的にウェルあたり5×104CFU/ml程度になるように専用の接種器具を用いて接種する.35℃で18~24時間培養し,視認にて菌の発育がみられない最小希釈濃度をMIC値として判定する(例えば,ある抗菌薬において0.25μg/ml濃度では発育しているが,0.5μg/ml以上の濃度では発育が認められない場合,0.5μg/mlがその抗菌薬の対象菌に対するMIC値となる).MIC値が小さいほど抗菌力が強い.

参考文献

1)Clinical and Laboratory Standards Institute:Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard-8th ed, M07-A8, USA
2)Kahlmeter G, et al:European harmonization of MIC breakpoints for antimicrobial susceptibility testing of bacteria. J Antimicrob Chemther 52:145-148, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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