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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 遺伝子検査と染色体検査

HLA系とHLAタイピング

著者: 谷川宗1

所属機関: 1東京都保健医療公社豊島病院輸血科

ページ範囲:P.588 - P.590

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 HLA抗原(human leukocyte antigen:ヒト白血球抗原)は,ヒトの主要組織適合性複合体(major histocompatibility complex:MHC)と呼ばれる生物学的に重要な遺伝子群の標識として,臨床医学,基礎医学の分野で貴重な情報を提供している.遺伝的に父母から受け継いだ抗原であり,異常値といえるものはないが,臨床的には臓器移植の実施に際して必要であり,またある種の疾患と相関がある点で有用である.

 HLA抗原は従来,抗血清を用いて同定されてきた(HLA抗原型).主なHLA抗原には,白血球をはじめほとんどの有核細胞(と血小板)膜表面上に表現されているクラスⅠ抗原のHLA-A, B, C抗原と,主としてB細胞,マクロファージ,活性化T細胞などの細胞に表現されているクラスⅡ抗原のHLA-DR, DQ, DP抗原がある.抗原型はHLAの系に数字を付して表す(例えばHLA-A1,HLA-B8など).

参考文献

1)「日本組織適合性学会」のホームページ:http://jshi.umin.ac.jp/
2)「骨髄移植推進財団」のホームページ:http://www.jmdp.or.jp/
3)「日本さい帯血バンクネットワーク」のホームページ:https://www.j-cord.gr.jp/ja/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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