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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗U1 RNP抗体

著者: 髙崎芳成1

所属機関: 1順天堂大学医学部膠原病内科

ページ範囲:P.435 - P.437

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 抗U1 RNP(U1 ribonucleoprotein:U1リボ核蛋白)抗体は,snRNP(small nuclear RNP)の1つであるU1 RNPに対する自己抗体で,混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)の診断に必須な抗核抗体(antinuclear antibody:ANA)として知られている1).U1 RNPはU1 RNAと9個のポリペプチド(70 kDa,A,B/B', C, D, E, F, G)より構成され,抗U1 RNP抗体はこのうち70 kDa, AおよびC蛋白を認識する1)

 抗U1 RNP抗体産生のメカニズムは明らかではないが,マウスレトロウイルスp30gagやインフルエンザBウイルスM1 matrix proteinと70 kDa蛋白,さらに単純ヘルペスウイルス-IとC蛋白などとの分子相同性が報告されており,ウイルス感染が抗体産生を誘導する引き金となっている可能性が論じられている2).また,内因性のU1 RNAによるTLR(toll-like receptor)-7への刺激の関与も論じられている3)

参考文献

1)髙崎芳成:抗核抗体.日内会誌 96:2124-2131, 2007
2)髙崎芳成:自己抗体とその臨床的意義.菊地浩吉,矢田純一,奥村 康(編):Annual Review免疫1992,pp 266-277,中外医学社,1992
3)髙崎芳成:全身性エリテマトーデスとToll-like receptor(TLR).臨免疫・アレルギー科 49:439-446, 2008
4)髙崎芳成,他:MESACUP-2 RNPおよび二重免疫拡散法による抗U1 RNP抗体の測定─多施設データとの比較検.医と薬学 46:803-808, 2001
5)Murakami A, et al:A new conformational epitope generated by the binding of recombinant 70-kd protein and U1 RNA to anti-U1 RNP autoantibodies in sera from patients with mixed connective tissue disease. Arthritis Rheum 46:3273-3282, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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