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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗ENA抗体

著者: 窪田哲朗1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科

ページ範囲:P.440 - P.441

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抗ENA抗体の発見

 それまでの臓器特異的な疾患概念を打ち破って,Klempererらが,種々の臓器の結合組織にフィブリノイド変性などをきたす全身性疾患,膠原病(collagen diseases)というカテゴリーを提唱したのは1942年のことであった.やがて,Hargravesらが全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の骨髄標本中にLE細胞を発見した1948年頃から,抗核抗体の存在が知られるようになり,膠原病は全身性の自己免疫疾患であると認識されるようになった.1950年頃には,SLE血清中の抗核抗体の対応抗原はDNAであることが判明し,抗DNA抗体の性質や病態との関連について研究が行われるようになった.

 1960年代になると,細胞の核抽出液中にはDNA以外にも膠原病患者抗体と反応する抗原がいろいろと含まれていることが見いだされ,extractable nuclear antigens(ENA)として盛んに研究されるようになった.ENAとしては,ヒトの脾臓,ウシやウサギの胸腺などの組織をホモジナイズして超遠心で核分画を得,さらにリン酸緩衝食塩水中でホモジナイズして遠心した上清などが用いられ,臨床的にも意義のある数々の抗ENA抗体が発見されることになった.

参考文献

1)Tan EM, Kunkel HG:Characteristics of a soluble nuclear antigen precipitating with sera of patients with systemic lupus erythematosus. J Immunol 96:464-471, 1965
2)中嶋 蘭,吉藤 元:筋炎と抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体.リウマチ科40:225-230, 2008
3)桑名正隆:強皮症の臨床における抗RNAポリメラーゼ抗体の有用性.リウマチ科40:239-245, 2008
4)Sharp GC, et al:Association of autoantibodies to different nuclear antigens with clinical patterns of rheumatic disease and responsiveness to therapy. J Clin Invest 50:350-359, 1971

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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